Chromeを使っていると「ウイルスに感染しました」という警告が何度も出ることがあります。しかし、警告が表示されただけでは、実際に感染したとは判断できません。Webサイトに許可した通知を悪用し、偽の警告を送ってくる手口があります。
通知の「今すぐ除去」「更新」などは押さず、Chromeを自分で開いて送信元を確かめましょう。パソコンの右下に出る通知、タブ内の警告、正規の保護機能では対処が異なります。まず表示の種類を見分けてから、必要な設定を変更します。
最初にやること:① 警告内のリンク・電話番号を使わない → ② Chromeの「設定」から「通知」を開く → ③ 不審なサイトの通知許可を解除する。すでに第三者へ遠隔操作を許可している場合は、通知設定よりも接続の遮断を優先してください。
01その「ウイルス感染」警告はどこから出ている?
最初に確認したいのは、警告の文章よりも「どの機能が表示しているか」です。同じような見た目でも、対処する設定は異なります。
右下の通知・ページ内の警告・本物の保護機能を区別する
| 表示の種類 | 見分ける手がかり | 最初に確認する場所 |
|---|---|---|
| サイトからの通知 | Windowsの右下などに現れ、送信元のサイト名やブラウザ名が表示されることがある | Chromeのサイト通知の許可一覧 |
| Webページ内の警告 | Chromeのタブ内や全画面に、警告文・電話番号・偽の閉じるボタンなどが見える | Chromeのタブ・ウィンドウ |
| 正規の保護機能の警告 | Chromeの危険なサイトの警告や、OS・セキュリティ製品からの検出通知 | Chromeや保護製品の正規画面・検出履歴 |
画面の右下に出たという位置だけで「Chromeの通知」とは断定できません。通知に表示されるアプリ名やサイト名を確認し、分からなければ通知の中身を押さずに設定画面から調べてください。
有名企業のロゴや警告音は、本物の証拠にならない
IPAは、Webサイトの通知機能から偽の感染警告を表示し、ソフトの購入や不審なページへ誘導する手口を確認しています。Windowsやセキュリティ企業に似せたロゴがあっても、その表示だけでは信用できません。ロボット確認を装って「通知を許可」させる誘導も報告されています。
画面内の番号へ電話する、指示されたプログラムを入れる、支払いをする、といった操作は進めないでください。警告音が大きい場合は、音量を下げて通常の操作を確認します。
根拠:IPA「ブラウザの通知機能から不審サイトに誘導する手口に注意」/IPA「サポート詐欺に注意」
本物の警告か迷うときは、保護機能を自分で開く
Chromeには、危険なサイトへのアクセスを知らせる「セーフ ブラウジング」があります。Windowsでは「Windows セキュリティ」を自分で起動し、「保護の履歴」で検出や対処の記録を確認できます。別のセキュリティ製品を使っているなら、その製品の正規アプリから確認してください。
本物の警告が確認された場合は、その保護機能の案内に従います。偽通知を止めるために、セーフ ブラウジングやウイルス対策機能をオフにする必要はありません。
02Chromeの設定で偽のウイルス通知を止める方法
サイト通知が原因なら、Chromeに登録された通知の許可を取り消すことで、そのサイトからの新しい通知を止めることができます。WindowsやMacの通知を一括で無効にする前に、サイト単位で確認しましょう。
手順1|通知を許可したサイトの一覧を開く
- パソコンでChromeを開きます。偽警告の中のボタンからは開きません。
- 右上の「︙」をクリックし、「設定」を選びます。
- 「プライバシーとセキュリティ」→「サイトの設定」へ進みます。
- 「通知」を開きます。
- 「通知の送信を許可するサイト」など、許可済みのサイトが並ぶ欄を確認します。
操作の途中で迷った場合は、次の文字列をChromeのアドレスバーに入力して、通知設定へ直接移動する方法もあります。
chrome://settings/content/notifications
これはChrome内部の設定画面を開くための文字列です。詐欺サイトにアクセスするURLではありません。画面の表示や名称はChromeのバージョン、端末の管理設定などにより多少異なる場合があります。
手順2|知らないサイトの通知許可を解除する
- 許可済みの一覧で、心当たりのないサイトのURLを探します。
- 対象サイトの右側にある「︙」メニューを開きます。
- 「削除」を選び、通知許可を取り消します。メニューに「ブロック」がある場合は、明示的に通知を拒否する方法もあります。
- 許可済みの一覧に、同じような不審なサイトがほかにないか確認します。
- 必要なサイトの通知は残したまま、設定画面を閉じます。
IPAの2026年3月更新資料では、Chromeの「許可」欄から不審なURLを「削除」する手順が案内されています。確認のために不審なURLを開き直す必要はありません。
| 操作 | 通知への影響 |
|---|---|
| 削除 | 以前与えた通知許可を取り消します。再訪したときは再度許可を求められる場合があります。 |
| ブロック | 対象サイトからの通知を許可しない設定にします。 |
この設定は「サイトから通知を送る権限」を変更するもので、端末内のウイルスを検査・駆除する操作ではありません。また、すでに通知センターに残っている過去の通知が直ちにすべて消えることを保証するものでもありません。
根拠:Google「通知を使用してアラートを受け取る」/IPA「ブラウザ通知の削除方法」
手順3|今後の通知許可を見直す
通知設定画面では、サイトが通知の許可を求めるときの動作も選べます。必要な通知だけを受け取りたい場合は、普段の使い方に合わせて設定してください。
たとえば「人間であることを確認するには通知を許可してください」と促されても、本人確認のために通知を許可する必要があるとは限りません。内容や送信元を確かめられないサイトには、許可を与えないようにしましょう。
ここまでで解決したかの確認:許可済みの一覧から不審なサイトがなくなり、そのサイトから新しい通知が届かなくなれば、今回の通知停止という目的は達成です。すでに入力・インストール・支払いをした場合は、操作別の対応も確認してください。
03Chromeのタブ内に偽の警告が出ている場合
警告がWindowsの通知ではなく、Chromeのページ内に表示されているなら、最初にそのページを閉じます。サイト通知の設定変更だけでは、今開いているページの表示は閉じられません。
ページ内の「閉じる」を押さず、タブやウィンドウを閉じる
偽の警告画面では、Webページ内に描かれた「×」印が実際の閉じるボタンではない場合があります。まず通常のタブ操作を試します。
- Windows:タブを閉じる場合は
Ctrl + W。 - Mac:タブを閉じる場合は
command + W。 - 全画面の警告:IPAはWindowsでEscキーを数秒間押して全画面表示を解除し、表示されたブラウザ側の閉じるボタンを使う方法を案内しています。
ページ内の電話番号や「修復する」ボタンは使いません。ページ移動の確認が出たときは、サイトから離れる選択肢を選びます。
Chromeが反応しないときは、OSの正規機能から終了する
通常の操作で閉じられない場合は、OSの機能を利用します。
- Windows:
Ctrl + Shift + Escでタスク マネージャーを開き、Chromeを選んでタスクを終了します。 - Mac:
option + command + escを押し、「アプリケーションの強制終了」でChromeを選びます。
強制終了すると、Chromeで保存していない作業が失われる場合があります。次回起動時にタブの復元を求められても、不審なページは復元しないでください。OS自体が操作不能で再起動しても改善しない場合は、通常のブラウザ偽警告とは別の問題の可能性もあるため、IPAの「操作不能になる偽メッセージ」の案内を参照してください。
根拠:IPA「偽警告画面の閉じ方」/Microsoft「Windowsのシステム構成ツール」/Apple「Macでアプリを強制的に終了する方法」
04通知をブロックしたのに消えないときの確認項目
1つのサイトの通知を止めたのに警告が出る場合は、設定が効かなかったとすぐに決めつけず、新しく出た警告の送信元を見直します。
別のサイトやChromeプロフィールに許可が残っていないか
不審なサイトが複数登録されている場合、1つ削除しても別のサイトから通知が届くことがあります。Chromeで仕事用・個人用など複数のプロフィールを使っているなら、通知が出ているプロフィールの設定を確認します。
なお、通知センターに残る古い通知と、新しく届いた通知は別です。すでに表示されたものを消す操作だけでは、送信元の許可は変更されません。
Chromeではなく別のブラウザやアプリの通知ではないか
同じような警告でも、実際の送信元がMicrosoft Edgeなど別のブラウザやアプリなら、Chromeの設定を変更しても止まりません。通知のアプリ名を確認し、そのアプリの正規の設定画面で対処します。
Windowsの通知を丸ごとオフにして隠すと、必要な連絡や正規の保護通知まで見逃すおそれがあるため、送信元を調べる前の一括停止はおすすめしません。
タブが勝手に開く・拡張機能が増える場合は別の問題も確認する
Chromeで知らないタブが何度も開く、検索エンジンが勝手に変わる、覚えのない拡張機能があるといった場合は、サイト通知以外の原因も考えます。Googleはこのような現象について、望ましくないソフトウェアやマルウェアの可能性を案内しています。
この場合は、Googleの望ましくない広告・ポップアップ・マルウェアへの公式対処手順に進んでください。警告から紹介された「除去ソフト」を新たに購入する必要はありません。
05電話・入力・遠隔操作・支払いをしてしまった場合
偽警告の表示や通知許可だけなら、まず表示元の確認と通知停止を進めます。ただし、警告の指示に従って何かをした場合は、通知を止めるだけで対応完了とは限りません。
何をしたかに応じて次の対応を選ぶ
| 行ったこと | 次に取る対応 |
|---|---|
| 見ただけ・通知を許可した | 表示元を確かめ、不審なサイトの通知許可を解除する。表示だけで感染と決めつけない。 |
| 通知やリンクを押してページを開いた | 追加の操作を止め、情報入力・ダウンロード・実行の有無を確認する。 |
| ID・パスワード・認証コードを入力した | 安全な端末・正規のサービスから、パスワード変更、セッションや認証の確認を行う。認証コードを渡した場合は特に早く対応する。 |
| カード情報を入力した・カードで支払った | 実際の請求を待たず、カード発行会社の公式窓口へ連絡し、利用停止や再発行の要否を相談する。 |
| 不審なファイルを実行・アプリを入れた | 追加の実行を止め、提供元の正規手順で端末を確認する。業務端末は管理担当に報告する。 |
| 警告の番号に電話した | 通話を切り、以後の指示に従わない。遠隔操作・情報提供・料金発生の有無を確認する。 |
| 遠隔操作を許可した | ネット接続を遮断し、正規の窓口へ相談する。端末への影響と遠隔操作ソフトの対処も確認する。 |
| 振込・ギフトカードで支払った | 銀行・発行事業者などの公式窓口に至急相談し、警察への相談も検討する。追加送金はしない。 |
この表は一般的な初動の整理です。操作した内容や端末の状態から、感染・情報漏えい・返金可否を診断するものではありません。
遠隔操作を許可した場合は、先に接続を遮断する
注意相手がパソコンを操作できる状態なら、まず通信を切ってください。Wi-Fiをオフにする、LANケーブルを抜くなどで遠隔接続を中断し、別の信頼できる端末から相談先を確認します。警告内の電話番号にはかけ直しません。
IPAは、遠隔操作を許可した場合、画面に表示された情報の閲覧や端末設定の変更などが起こり得ると説明しています。接続を止めた後も、遠隔操作ソフトの終了・削除、端末の復旧、影響を受けたアカウントの保護が必要になる場合があります。何を操作されたか分からない場合は、IPAやパソコンメーカーなどの正規案内を参考にしてください。
会社や学校の端末では、自己判断で初期化せず、管理担当へ早急に報告します。調査に必要な情報を消してしまうことがあるためです。
根拠:IPA「遠隔操作ソフトを悪用される手口に気をつけて」/IPA「サポート詐欺に注意」
相談先は警告の中ではなく、正規の案内から探す
- 技術的な相談:IPA 情報セキュリティ安心相談窓口。一般向けのウイルス・不正アクセスなどの技術相談を扱っています。
- 被害や犯罪の相談:警察庁 サイバー事案に関する相談窓口。具体的な被害があるときは最寄りの警察署も確認します。
- 契約や請求の相談:カード発行会社、銀行、購入先・ギフトカード発行事業者などの公式窓口。契約トラブルは消費生活センター(消費者ホットライン188)でも相談できます。
不審なページに入力した人は、当サイトのフィッシングのリンクを開いた後の対処で操作別の保護を確認できます。カード情報を渡した人は、身に覚えのないカード請求の確認・連絡手順も参考にしてください。
状況を説明するための確認メモを残す
相談時には、どの画面が出たか、何を操作したかを順に説明できると役立ちます。下のメモは必要な項目だけ記入してください。
相談前の確認メモ
警告が出た日時: 表示された場所(通知/タブ内/別アプリなど): 通知元のサイト名・アプリ名: 警告内のリンク・ボタンを押したか: 入力した情報の種類(ID/パスワード/カード情報など): ファイルのダウンロード・実行・インストールの有無: 電話したか/遠隔操作を許可したか: 支払いの有無・支払い手段: 変更・停止した設定: 相談先と連絡日時: 今後確認したいこと:
注意秘密情報をメモに書かないでください。パスワード、認証コード、カード番号、セキュリティコードなどは記入しません。相談先を装う相手から求められても、警告の案内に従って渡さないでください。
06Chromeのウイルス通知でよくある質問
通知が出ただけでウイルスに感染したことになりますか?
いいえ。表示だけで感染は確認できません。IPAが注意喚起しているように、通知機能から偽の感染警告を送る手口があります。ただし、不審なソフトを実行した、遠隔操作を許可したなどの操作をした場合は、別途確認が必要です。
Chromeを閉じてもパソコンの右下に警告が出るのはなぜですか?
サイト通知の許可が残っている、通知センターに過去の通知が残っている、別のブラウザ・アプリが送信しているなどの可能性があります。Chromeの通知許可一覧と送信元を確認してください。
通知の「削除」と「ブロック」はどちらを使えばよいですか?
どちらも不要な通知を止めるための設定です。「削除」は以前の許可を取り消し、「ブロック」は対象サイトからの通知を拒否します。IPAのChrome向け手順では、許可一覧から「削除」を選ぶ方法が案内されています。
Chromeを削除・再インストールすれば直りますか?
最初から再インストールする必要はありません。まずは送信元と通知の許可設定を確認します。通知を停止してもタブが勝手に開くなどの問題が続くなら、Googleの公式対処手順で原因を確認してください。
通知をブロックしたのに警告がまた出たら?
別の不審なサイト、別のChromeプロフィール、ほかのブラウザやアプリからの通知、開いたままのタブなどを切り分けます。新しく届いた警告の送信元を確認し、同じサイトかどうかを見てください。
本物のウイルス対策機能もオフにする必要がありますか?
いいえ。サイト通知を止めるために、Chromeのセーフ ブラウジングやWindowsの保護機能を無効にする必要はありません。実際の検出警告かどうかは、提供元の正規アプリや保護履歴から確認します。
07まとめ|警告の指示ではなく、設定画面から止める
Chromeの「ウイルスに感染」通知が何度も出る場合、通知に従って操作するのではなく、まず送信元を確認することが大切です。サイト通知なら、Chromeの設定から不審なサイトの許可を解除します。
- 表示元を見分ける:サイト通知・ページ内の警告・正規の保護機能は対処が異なります。
- 通知を止める:Chromeの「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「サイトの設定」→「通知」で不要な許可を解除します。
- 追加対応を判断する:認証情報の入力、ファイルの実行、遠隔操作、支払いをした場合は、通知停止だけで終わらせません。
警告を見ただけで、新しいセキュリティ製品を買う必要があると決めつけないでください。まず設定から確認し、何を操作したかに応じて必要な対応を選びましょう。
引用元・公式情報
2026年10月25日確認。以下はGoogle・IPA・Microsoft・Apple・警察庁の公式案内です。一般的な対処を整理したもので、個別の感染診断や被害調査ではありません。ユーザー報告は根拠として使用していません。
- Google Chrome ヘルプ:通知を使用してアラートを受け取る
- Google Chrome ヘルプ:サイトの権限設定を変更する
- IPA:ブラウザの通知機能から不審サイトに誘導する手口に注意(最終更新:2026年3月18日)
- IPA:パソコンに偽のウイルス感染警告を表示させるサポート詐欺に注意
- Google Chrome ヘルプ:安全でないサイトについての警告表示を設定する
- Microsoft サポート:Windows セキュリティ アプリの保護履歴
- Microsoft サポート:Windowsのシステム構成ツール
- Apple サポート:Macでアプリを強制的に終了する方法
- Google Chrome ヘルプ:望ましくない広告、ポップアップ、マルウェアを削除する
- IPA:遠隔操作ソフト(アプリ)を悪用される手口に気をつけて!
- IPA:パソコンの画面全体に偽のメッセージが表示され操作不能になる手口が増加中
- IPA:情報セキュリティに関する技術的なご相談
- 警察庁:サイバー事案に関する相談窓口
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