サポート詐欺に電話してしまったら?遠隔操作・支払い別の対処

電話してしまった後の 対処を状況別に 実務ガイド

情報確認日:2026-10-26

SOURCE CHECK

IPA(サポート詐欺の注意喚起、安心相談窓口、2026年7〜9月の相談状況)、警察庁のサポート詐欺対策、国民生活センター、全国銀行協会、Microsoftの各ページで確認しています(確認日時:2026年10月26日 12:36 日本時間)。払ったお金が戻るかどうかは、公的な案内には書かれておらず、この記事でも未確認として扱います。この記事はWindowsパソコンの場合です。Xの投稿の時刻は日本時間です。

サポート詐欺の偽の警告画面を見て、電話してしまった。そんなときは、まず「何をしたか」を分けて考えます。IPAは、電話で話しただけで何のソフトも入れていなければ、パソコンへの影響はないと考えられると説明しています。遠隔操作ソフトを入れた、お金を払った、カード番号を伝えた場合は、それぞれやることと連絡先が違います。

先に結論(2026年10月26日 12:36 日本時間時点)
  1. 電話しただけなら、パソコンへの影響はないと考えられます(IPA)。画面を閉じ、後からかかってくる電話には出ません。
  2. 遠隔操作ソフトを入れたなら、まずネットを切ります。そのあと、ソフトの削除、Windowsの「システムの復元」(できなければ初期化)、パスワードの変更へ進みます。
  3. お金を払ったなら、払い方ごとの窓口へすぐ連絡します。振り込んだ場合は、振り込んだ先の銀行です。どの場合も警察に相談します。
  4. 会社や学校のパソコンなら、自分で消したり初期化したりせず、管理担当に報告します。

この記事では、状況別のチェックリストと、IPA・警察庁・Microsoftの案内に沿った手順、払い方ごとの連絡先、相談先をまとめます。偽の警告の見分け方や、画面の閉じ方・通知の止め方はChromeの「ウイルスに感染」通知が消えない?偽警告の見分け方と止め方で説明しているので、ここでは「電話してしまった後」に絞ります。

こんな人におすすめ

  • 偽のウイルス警告に出ていた番号に、電話してしまった人
  • 言われるままに遠隔操作のソフトを入れた、お金を払ってしまった人
  • 家族から「パソコンで詐欺にあったかも」と連絡を受けた人

01サポート詐欺に電話してしまったら、まず「何をしたか」で分ける

サポート詐欺に電話してしまったときに、最初にやることは「何をしたか」を確かめることです。IPAによると、この手口は電話をかけることで被害が始まります。電話のあと、遠隔操作ソフトを入れたか、お金を払ったか、何を伝えたかで、次にやることが変わります。

出典:IPA「パソコンに偽のウイルス感染警告を表示させるサポート詐欺に注意」

状況別チェックリスト

何をしたかで分ける、今すぐやることと次にやること
何をしたか今すぐやること次にやること
電話しただけ(ソフトは入れていない・払っていない)電話を切る。かけ直さない画面を閉じ、ブラウザの履歴を消す。知らない番号からの電話には出ない・着信拒否(02)
遠隔操作ソフトを入れた・画面を操作されたWi-Fiを切る、LANケーブルを抜くソフトの削除 → システムの復元(できなければ初期化)→ 別の端末からパスワード変更(03)
クレジットカードで払ったカード会社に連絡し、支払いの停止を頼む利用明細の確認、カードの再発行の相談、警察に相談(04)
電子マネー・ギフトカードで払った発行会社に被害を連絡し、決済の停止を頼む救済措置の相談。カードやレシートを残す。警察に相談(04)
ネットバンキングで振り込んだ振り込んだ先の銀行に至急連絡自分の口座がある銀行と警察にも連絡(04)
ネットバンキングにログインさせられた(送金前)パスワードを変える身に覚えのない取引がないか確かめ、銀行に相談(04)
カード番号・パスワードを伝えた・入力したカード会社に連絡、パスワードを変える明細の確認、ほかのサービスのパスワードも見直す(05)
会社・学校のパソコンだった自分で削除・初期化しないすぐに管理担当に報告する(03)

この表は初動の目安です。被害があったかどうかを診断するものではありません。

出典:IPA(サポート詐欺に注意)、警察庁「サポート詐欺対策」、全国銀行協会「金融犯罪に遭った場合のご相談・連絡先」、Microsoft「テクニカル サポート詐欺から身を守る」

用語メモ:遠隔操作ソフトは、離れた場所にいる人が、ネット経由で自分のパソコンを操作できるソフトです。AnyDeskやTeamViewerなど、本来は正規のソフトが悪用されます。システムの復元は、Windowsの設定やアプリを、以前の時点の状態に戻す機能です。個人のファイルには影響しません。

警察署の公式の投稿です(神奈川県大磯警察署【公式】、2026年10月16日 9:00)。電話をかけない、電子マネーやカードで払わない、困ったら相談する、という呼びかけです。

偽の警告そのものの見分け方は、Chromeの「ウイルスに感染」通知が消えない?偽警告の見分け方と止め方で説明しています。

02電話しただけ・話しただけの場合|後からの電話と通話料

パソコンへの影響はないと考えられる

IPAは、電話で話をしただけで、何のソフトもインストールしていない場合は、パソコンには何も影響はないと考えられるとしています。偽の警告画面を閉じて、念のためブラウザの履歴を消してください。

出典:IPA「パソコンに偽のウイルス感染警告を表示させるサポート詐欺に注意」(よくある質問5)

後から電話がかかってくることがある

一度電話をすると、自分の電話番号が相手に伝わります。IPAは、後から電話がかかってきた事例があるとして、出ないか、着信拒否にするよう案内しています。日本マイクロソフトも、偽のサポート担当者が後日、何度も電話してくる可能性があるとしています。

  • Microsoftは、頼まれていないのに、サポートのために電話してくることはありません。
  • Microsoftのサポート担当者が、社員証を見せることはありません。
  • Microsoftが、ギフトカードや暗号資産でサポート代を払わせることはありません。

出典:IPA「偽のセキュリティ警告に表示された番号に電話をかけないで」、日本マイクロソフト「マイクロソフトのサポートを装った詐欺にご注意ください」、Microsoft「テクニカル サポート詐欺から身を守る」

国際電話の料金に注意

IPAによると、偽の警告に出る番号は、以前は050番号でしたが、2023年8月ごろから0101で始まる番号に変わりました。0101で始まる番号は北米(主に米国)への国際電話になるため、国際通話料がかかる可能性があります。気になる場合は、電話会社の利用明細で確かめてください。

出典:IPA(サポート詐欺に注意)

右下に警告が出続けるとき

画面の右下から何度も警告が出る場合は、ブラウザの通知を許可してしまっている可能性があります。止め方はChromeの偽のウイルス通知の止め方を見てください。

03遠隔操作ソフトを入れた・遠隔操作された場合|削除・システムの復元・初期化

遠隔操作ソフトを入れた、または画面を勝手に動かされた場合は、次の順番で進めます。IPAは、遠隔操作で何をされたかは判断できないため、安全な対処として、ソフトの削除に加えてWindowsの「システムの復元」を勧めています。

会社・学校のパソコンの場合

自分で削除や初期化をせず、すぐに管理担当に報告してください。IPAは、組織のパソコンで情報漏えいの調査をする場合は、調査が終わるまで端末を残しておき、復元や初期化は調査のあとにするよう勧めています。

  1. ネットを切ります。Wi-Fiをオフにするか、LANケーブルを抜きます。IPAによると、遠隔操作がつながるには「ソフトが起動して待ち受けている」「ネットにつながっている」「相手が接続に必要な番号を知っている」「接続を許可した」の4つがすべてそろう必要があります。ネットを切れば、そのうちの1つが欠けます。
  2. 入れたソフトを確かめます。IPAが挙げている例は、AnyDesk、TeamViewer、LogMeIn、UltraViewer、ConnectWise Controlなどです。インストールせずに動くタイプは、アプリの一覧に出ないことがあります。
  3. ソフトを削除します。下の「主なソフトの削除の手順」を見てください。
  4. システムの復元をします。電話する前の日付の復元ポイントに戻します。アプリの一覧に出ないソフトだった場合は、IPAは「システムの復元」だけを行うよう案内しています。
  5. 復元できなければ初期化します。IPAは、システムの復元ができない場合はパソコンの初期化を勧めています。
  6. 別の端末からパスワードを変えます。遠隔操作中の画面は相手にそのまま見えています。画面に出た認証コードも伝わった可能性があります。
  7. Windows セキュリティでフル スキャンをして、更新プログラムを入れます。Microsoftの案内です。

出典:IPA(サポート詐欺に注意)、IPA「遠隔操作ソフト(アプリ)を悪用される手口に気をつけて!」、IPA(2021年11月)、警察庁「サポート詐欺対策」、Microsoft「テクニカル サポート詐欺から身を守る」

主なソフトの削除の手順(AnyDesk・TeamViewer)

遠隔操作ソフトの削除の手順(各社の公式の案内より、Windowsの場合)
ソフト削除の手順最後に確かめること
AnyDesk(インストール版)タスクトレイのAnyDeskのアイコンを右クリックして終了 → 「設定」>「アプリ」>「インストールされているアプリ」でアンインストール → 削除の画面で「Remove settings」にチェックタスクトレイにアイコンがないこと。再起動して、AnyDeskが自動で起動しないこと
AnyDesk(ポータブル版)タスクトレイから終了 → 保存したAnyDeskのフォルダーを削除 → Win+Rで「%APPDATA%」を開き、AnyDeskのフォルダーを削除同上
TeamViewerタスクトレイのアイコンを右クリックして終了 → スタートボタンを右クリックして「アプリと機能」 → アンインストール → 「設定を削除」にチェック終わったらパソコンを再起動する

出典:AnyDesk「Uninstall AnyDesk」(英語)、TeamViewer「TeamViewerをアンインストールする方法」

TeamViewerの公式ページには、レジストリを直接書き換える手順も載っていますが、誤るとWindowsが動かなくなるおそれがあると注意書きがあります。うまく消せないときは、無理をせずIPAの窓口やパソコンメーカーに相談してください。

Windowsに最初から入っている「クイック アシスト」が使われることもあります。Microsoftは、自分からMicrosoftサポートに連絡した場合にだけ接続させるよう案内しています。相手に操作させるのをやめるときは「コントロールのキャンセル」、終わるときは「退出」を選びます。

出典:Microsoft「クイック アシストを使用して PC の問題をリモートで解決する」

システムの復元のやり方

  1. Win+Rを押し、「rstrui.exe」と入力してEnterを押します。
  2. 「次へ」を選び、一覧から復元ポイントを選びます。見つからなければ「他の復元ポイントを表示する」にチェックを入れます。
  3. 「次へ」「完了」の順に選ぶと、Windowsが再起動します。

Microsoftによると、システムの復元で戻るのは、システムのファイル、設定、入れたプログラムです。個人のファイルには影響しません。パソコンを暗号化している場合、回復環境から実行するにはBitLockerの回復キーが必要です。

出典:Microsoft「システムの復元」

初期化(このPCをリセットする)

「このPCをリセットする」は、Windowsを入れ直す方法です。個人用ファイルを残すか、すべて削除するかを選べます。Microsoftは、いちばん影響が大きい方法だとしています。残したいファイルがあれば、先にバックアップの方法を確かめてください。操作に不安があれば、パソコンメーカーやIPAの窓口に相談します。

出典:Microsoft「Windows の回復オプション」

IPAは、支払いを断ったときに、デスクトップのアイコンを隠されたり、Windowsのサインインのパスワードを勝手に設定されたりした例を紹介しています。こうした状態になっていたら、自分で直そうとする前に、IPAの窓口に相談してください。

パソコン修理店の投稿です(@rpmate1 リペアメイト、2026年10月12日 19:02)。遠隔操作で何をされたか分からないため初期化した、という例で、IPAの「何をされたかは判断できない」という説明と同じ考え方です。

メールのリンクを開いた後の操作別の対処は、フィッシングメールのリンクを開いてしまったら?入力・認証・実行別の対処にまとめています。

04お金を払ってしまった場合|支払い方法別の連絡先

お金を払ってしまった場合は、払い方によって連絡先が違います。急ぐのは、支払いや決済を止めてもらう連絡です。

払い方ごとの連絡先と、伝えること
払い方連絡先伝えること・頼むこと
クレジットカードカード会社(カードの裏面にある番号)支払いの停止を依頼する。請求に異議を伝える。カードの取り消しと再発行を相談する
電子マネー(コンビニで買ったカードの番号を伝えた)電子マネーの発行会社被害を連絡し、決済の停止を依頼する。救済措置について相談する
Google Play ギフトカード警察に通報 → Googleに報告(消費者ホットライン188にも報告できる)ギフトカード詐欺の報告
AppleのギフトカードAppleサポートギフトカード詐欺の被害の連絡
ネットバンキングで振り込んだ振り込んだ先の口座がある銀行(振り込みを頼んだ銀行ではない)+自分の口座がある銀行振り込め詐欺等の被害を受け、その銀行の口座に振り込んだこと

出典:警察庁「サポート詐欺対策」、Microsoft「テクニカル サポート詐欺から身を守る」、Google Play ヘルプ「Google Play ギフトカード詐欺に遭った場合の対処法」、Apple「ギフトカード詐欺について」、全国銀行協会「金融犯罪に遭った場合のご相談・連絡先」、IPA(ネットバンキングにログインさせられた場合)

全国銀行協会のページには、各銀行の連絡先の一覧があります。振り込んだ先の銀行に連絡するとともに、必ず警察にも届け出るよう書かれています。どの払い方でも、警察に相談してください(相談先は06)。サポート契約を取り消したいときは、IPAは消費生活センター(消費者ホットライン188)への相談を案内しています。

払ったお金は戻るのか

戻るかどうかは、確認できていません。警察庁は「支払いの停止を依頼」「救済措置について相談」、Microsoftは「請求に異議を唱える」と案内していますが、お金が戻るとはどこにも書かれていません。この記事でも「戻る」「戻らない」のどちらも言い切りません。各機関の案内に共通しているのは、まず支払いや決済を止めてもらう連絡をすること(振り込んだ場合、IPAは「至急」としています)と、警察に相談することです。

入力した金額を書き換えられた例

国民生活センターは、修理代100円のはずが、遠隔操作で「0」を足されて100万円が送金されていた例を紹介しています。IPAも、ネットバンキングで198万円が不正に送金された例を確認しています。遠隔操作中にネットバンキングを開くと、金額を書き換えられるおそれがあります。

出典:国民生活センター「パソコンで警告が出たらサポート詐欺に注意!-70歳以上で大幅に増加-」、IPA(サポート詐欺に注意)

関連する記事です。

05カード番号・パスワード・個人情報を伝えた場合

カード番号を伝えた・画面に入力した

払っていなくても、カード番号を伝えたり入力したりした場合は、カード会社に連絡して、カードの停止や番号の変更を相談してください。IPAは、偽のサイトにクレジットカード情報を入力した場合について、不正に使われていないかを確かめ、不安があればカード機能の一時停止や番号の変更などをカード会社に相談するよう案内しています。カード会社も、不審なサイトにカード番号を入力した場合は、カードを止める手続きをするよう案内しています(三井住友カード、JCB)。サポート詐欺についての警察庁・Microsoftの案内は「払ってしまった場合」の書き方ですが、番号が相手に渡っている点は同じです。明細に身に覚えのない請求がないかも確かめます。

出典:IPA「情報セキュリティ安心相談窓口の相談状況[2026年第3四半期(7月~9月)]」(フィッシングの対処)、三井住友カード「不審なサイトにカード番号を入力してしまいました。どうしたらいいですか?」、JCB「フィッシング詐欺にご注意ください」

パスワードや認証コードを見られた可能性

IPAによると、遠隔操作中は、画面がそのまま相手に送られています。画面に出た認証コードなども伝わった可能性があります。IPAは、コンビニに行っている間など、目を離していたときに遠隔操作されていた場合は、パソコンの中を見られた可能性があるとしています。パスワードやカード番号などを見られやすい場所に保存していたなら、念のためパスワードを変えるよう勧めています。

パスワードは、遠隔操作されたパソコンではなく、別のスマホやパソコンから変えます。メール、銀行、よく使うサービスから先に変えてください。

出典:IPA「遠隔操作ソフト(アプリ)を悪用される手口に気をつけて!」、IPA(よくある質問1)

名前・住所・電話番号を伝えた

電話番号は、電話をかけた時点で相手に伝わっています。後から電話がかかってきた事例があるので(02)、知らない番号には出ないでください。

関連する記事です。

06相談先と、相談の前にそろえるもの

相談先(2026年10月26日 12:36 日本時間に各公式ページで確認)
相談先何を相談するか連絡方法
IPA 情報セキュリティ安心相談窓口パソコンの処置(ソフトの削除、システムの復元など)の技術的な相談電話 03-5978-7509(10時00分〜17時00分、土日祝日・年末年始を除く)、メールなど
最寄りの警察署被害の通報・相談資料を持って行く。事前に電話で日時と資料を相談するとスムーズ
警察相談専用電話緊急ではない相談#9110
消費者ホットライン契約の取り消しなどの相談188(近くの消費生活センターを案内。話し中のときは国民生活センターのバックアップ相談 03-3446-0999、平日10時〜16時)
カード会社・電子マネーの発行会社・銀行支払いや決済の停止カードの裏面や公式サイトに載っている番号(04)

出典:IPA「情報セキュリティに関する技術的なご相談」、警察庁「サポート詐欺対策」、警察庁「サイバー事案に関する相談窓口」、国民生活センター、消費者庁「相談窓口(被害にあったら)」

IPAの受付時間は、IPA自身のページの表記です。ほかの機関のページでは書き方が違うことがあるので、電話する前に公式ページで最新の時間を確かめてください。IPAへの電話は1回30分以内で、相談は無料、通話料は自己負担です。

相談先の電話番号は、警告画面やAIの答えではなく、公式サイトで確かめてください。警察庁は、偽の警告画面には本物の企業のロゴが使われることがあるとしています。

相談の前にそろえるもの

警察庁は、次のものを残し、警察署に持って行くよう案内しています。

  • 偽の警告画面(スマホで撮った写真など)
  • 入れたソフトが分かる資料(ソフトの名前のメモなど)
  • 支払ったカードの利用履歴
  • 買った電子マネーのカード

電子マネーを買ったときのレシートや、電話した時刻、言われたことを時系列で書いたメモもあると、説明しやすくなります。パスワードやカード番号そのものは、メモに書かないでください。

出典:警察庁「サポート詐欺対策」

家族が電話してしまったとき

国民生活センターは2024年3月の発表で、サポート詐欺の相談が70歳以上で大幅に増えているとしています。家族から連絡を受けたら、責めずに、01の表のどこに当たるかを一緒に確かめてください。お金や個人情報が関わる場合は、カード会社や銀行への連絡に付き添うと、話が進めやすくなります。

IPA公式の投稿です(IPA(情報セキュリティ安心相談窓口)、2026年10月23日 15:42)。2026年7〜9月のサポート詐欺の相談は1,160件で、前の四半期より約18.8%減ったものの、相談は今も多く寄せられています。

数字で見るサポート詐欺

公的機関の数字(数え方がそれぞれ違うので、足したり比べたりしない)
出どころ数字何の数か
警察庁(令和7年)1,066件、被害額 約14億円架空料金請求詐欺のうち「サポート名目」の認知件数・被害額
警察庁(令和8年上半期)735件、被害額 約8億3,000万円同上(前年同期比で件数10.4%増、被害額13.3%減)
IPA(2026年7〜9月)1,160件安心相談窓口への「ウイルス検出の偽警告」の相談件数

出典:警察庁「令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」(PDF)、警察庁「令和8年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」(PDF)、IPA「情報セキュリティ安心相談窓口の相談状況[2026年第3四半期(7月~9月)]」

07偽の警告画面は生成AIでも作られている|日本語が自然でも電話しない

この節では、サポート詐欺と生成AIの関係を、公的機関と企業の一次情報で確認できる範囲で説明します。

日本を狙ったグループが、生成AIで偽の画面と日本語を作っていた

警察庁は、日本人を狙ったサポート詐欺の事件で、容疑者のグループが生成AIを悪用し、標的の特定、ポップアップウィンドウの作成、日本語への翻訳をしていたと報告しています。インドの中央捜査局(CBI)が2025年5月に6人を逮捕した事件で、日本サイバー犯罪対策センター(JC3)やMicrosoftも協力しました。Microsoftも同じ事件について、生成AIで被害者選び、偽のポップアップの作成の自動化、日本の被害者向けの翻訳をしていたと発表しています。

出典:警察庁「令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」(PDF)、Microsoft On the Issues(2025年6月5日、英語)

警察庁によると、この逮捕の後の2025年6月、IPAへの偽警告の相談は85件(前月比80%減)に減りました。ただしIPAは、一時的に減ったものの、その後また増えているとしています。

出典:警察庁「令和8年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」(PDF)、IPA(2026年7〜9月の相談状況)

ただし、すべての偽の画面がAIで作られているわけではない

Microsoftは、Windowsのクイック アシストを悪用して、ITサポートを装った別の攻撃グループの事例では、AIの使用は観測されなかったとしています。AIが使われた事件があるのは事実ですが、「サポート詐欺はAIで作られている」とひとまとめにはできません。

出典:Microsoft「Cyber Signals Issue 9」(2025年4月16日、英語)

日本語が自然かどうかではなく、変わらないルールで見分ける

米国のFBIは、生成AIが、詐欺の目印になる人間のミスを直してしまうと注意を呼びかけています。日本語が自然でも、本物とは限りません。見分けるときは、次のルールを使います。

  • Microsoftのエラーや警告のメッセージに、電話番号が書かれていることはない
  • Microsoftが、ギフトカードや暗号資産でサポート代を払わせることはない
  • 偽の警告画面は、ウイルスに感染しているかどうかに関係なく表示される(警察庁)

出典:FBI IC3「Criminals Use Generative Artificial Intelligence to Facilitate Financial Fraud」(2024年12月3日、英語)、Microsoft「テクニカル サポート詐欺から身を守る」、警察庁「サポート詐欺対策」

ブラウザ側のAIの守り

Googleは、ChromeでAI(Gemini)を使ってサポート詐欺のページを見分ける仕組みを、セーフ ブラウジングの「保護強化機能」の利用者向けに広げていると発表しています。2026年10月には、偽のウイルス対策や偽のブラウザ更新の詐欺にも対象を広げたとしています。保護強化機能は、Chromeの「設定」>「プライバシーとセキュリティ」>「セキュリティ」で選べます。MicrosoftのEdgeにも「スケアウェア ブロッカー」があります。

Googleの発表には、日本語のページや日本の利用者で働くかどうかが書かれていません。この記事では未確認として扱い、「オンにすれば安心」とは書きません。

出典:Google(2025年5月8日、英語)、Google(2026年10月20日、英語)、Google Chrome ヘルプ「Chrome でセーフ ブラウジングの保護レベルを選択する」、Microsoft「Cyber Signals Issue 9」

AIに相談するときの注意

電話してしまった後、何をすればよいかをAIチャットに相談する人もいます。整理の手伝いには使えますが、OpenAIは、ChatGPTは間違っていても自信ありげに答えることがあり、大事な情報は信頼できる情報源で確かめるよう案内しています。トレンドマイクロ(一企業の調査)は、ChatGPTやGeminiの回答から偽のショッピングサイトやフィッシングサイトに誘導される事例を確認し、AIが案内したURLも別の経路で確かめるよう呼びかけています。

出典:OpenAI Help Center「Does ChatGPT tell the truth?」(英語)、トレンドマイクロ「個人セキュリティ脅威動向レポート2026年上半期を公開」(2026年8月20日)

AIに相談するときの、すること・しないこと
することしないこと理由
何をしてしまったかを整理し、01の表のどこに当たるか確かめるAIの「大丈夫です」「詐欺ではありません」を最終判断にするAIは自信ありげに間違えることがある(OpenAI)
相談先の電話番号やURLは、公式サイトで確かめるAIが示した番号やリンクに、そのまま電話・アクセスするAIの回答から偽サイトに誘導された事例がある(トレンドマイクロ)
貼る前に、カード番号・パスワード・認証コード・口座番号を消す遠隔操作ソフトの接続番号や、ギフトカードの番号を貼る接続に必要な番号やカードの番号は、悪用につながる(IPA・警察庁)
画面の写真は、警察やIPAへの相談用に残す「AIが偽物と言ったから、通報しなくていい」と考える警察庁は、資料を持って警察署に相談するよう案内している

関連する記事です。

08次に偽の警告が出たときは

次に偽の警告が出たら、表示された番号には電話しないでください。画面の閉じ方と、右下に出る通知の止め方は、Chromeの「ウイルスに感染」通知が消えない?偽警告の見分け方と止め方で手順を説明しています。IPAは、実際に偽の警告画面を閉じる練習ができる「偽セキュリティ警告画面の閉じ方体験サイト」を公開しています。

画面全体に偽のメッセージが出て、キーボードやマウスが効かなくなる手口もあります。IPAは、この場合はすぐにネットを切る(LANケーブルを抜く、Wi-Fiルーターの電源を切る)よう案内しています。

出典:IPA「パソコンの画面全体に偽のメッセージが表示され操作不能になる手口が増加中」

偽の警告への入口は、Webの広告だけではありません。トレンドマイクロ(一企業の集計)は、偽の警告サイトに誘導するメールを165日間で約1,338万通観測し、約94%が「.jp」のアドレス宛てだったとしています。同社のサポートセンターに寄せられたサポート詐欺の報告件数は、2026年1〜6月に5,499件(前年同期比2.5倍)でした。同社の窓口だけの数で、IPAや警察庁の件数とは別の数字です。

出典:トレンドマイクロ「1,300 万通以上 の偽メールを観測:日本の個人・組織の両方を狙うサポート詐欺キャンペーンの手口を解説」、トレンドマイクロ(2026年8月20日)

警視庁の公式の投稿です(警視庁サイバー、2026年4月15日 15:59)。2026年4月の投稿ですが、「電話番号には電話しない、落ちついて画面を閉じる」という呼びかけは今も同じです。

09よくある質問

サポート詐欺に電話してしまいました。話しただけでも被害はありますか?

ソフトを入れず、お金も払っていなければ、パソコンへの影響はないとIPAは説明しています。画面を閉じ、ブラウザの履歴を消してください。後から電話がかかってくることがあるので、出ないか着信拒否にします(02)。

遠隔操作ソフトを入れてしまいました。消すだけで大丈夫ですか?

IPAは、何をされたか判断できないため、削除に加えてWindowsの「システムの復元」を勧めています。復元できなければ初期化です。その後、別の端末からパスワードを変えます。会社のパソコンなら、自分で触らず管理担当へ(03)。

払ったお金は戻ってきますか?

戻るかどうかは、公的な案内には書かれておらず、確認できていません。カードなら支払いの停止、電子マネーなら決済の停止と救済措置を、すぐに相談してください。振り込んだなら振り込んだ先の銀行へ連絡します。どの場合も警察に相談します(04)。

知らない番号から何度も電話がかかってきます。

一度電話すると番号が伝わり、後からかかってくる例があります。出ずに着信拒否にしてください。Microsoftが、頼まれていないのにサポートの電話をしてくることはありません(02)。

どこに相談すればいいですか?

パソコンの処置はIPAの安心相談窓口(03-5978-7509)、被害は最寄りの警察署、契約の相談は消費者ホットライン188です。番号は公式サイトで確かめてください(06)。

AIに「これは詐欺?」と聞いてもいいですか?

整理の手伝いには使えます。ただし、AIは自信ありげに間違えることがあり、AIの回答から偽サイトに誘導された事例もあります。最終判断にはせず、相談先の番号は公式サイトで確かめます。カード番号やパスワードは貼りません(07)。

10まとめ

  • 電話しただけなら、パソコンへの影響はないと考えられます(IPA)。後からかかってくる電話には出ません。
  • 遠隔操作ソフトを入れたら、ネットを切る → 削除 → システムの復元(できなければ初期化)→ 別の端末からパスワード変更、の順に進めます。
  • お金を払ったら、払い方ごとの窓口と警察へ。振り込んだなら振り込んだ先の銀行です。払ったお金が戻るかは確認できていません。

まずは01の表で、自分が何をしたかに当てはまる行を確かめてください。

更新履歴:2026年10月26日 初版(2026年10月26日 12:36 日本時間時点の公式情報)。

参考 引用元・公式情報

確認日:2026年10月26日(Xの投稿時刻は日本時間)

  1. IPA「パソコンに偽のウイルス感染警告を表示させるサポート詐欺に注意」(2024年11月19日、最終更新2025年4月3日)
    電話しただけの場合、遠隔操作された場合の削除・システムの復元・初期化、ネットバンキング、0101番号、閉じ方
  2. IPA「偽のセキュリティ警告に表示された番号に電話をかけないで」・IPA「遠隔操作ソフト(アプリ)を悪用される手口に気をつけて!」
    後からの電話、遠隔操作ソフトの例、遠隔操作がつながる4つの条件、画面が相手に見えること
  3. IPA「サポート詐欺の「偽セキュリティ警告画面の閉じ方体験サイト」を公開」・IPA「パソコンの画面全体に偽のメッセージが表示され操作不能になる手口が増加中」
    閉じ方の練習、操作不能をよそおう手口
  4. IPA「情報セキュリティに関する技術的なご相談」・IPA「情報セキュリティ安心相談窓口の相談状況[2026年第3四半期(7月~9月)]」(2026年10月23日)
    窓口の電話番号と受付時間、相談件数、カード情報を入力した場合の対処
  5. 警察庁「サポート詐欺対策」・警察庁「サイバー事案に関する相談窓口」
    ソフトを入れた・払った場合の対処、保存する資料、警察への相談
  6. 警察庁「令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」・警察庁「令和8年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」
    「サポート名目」の件数と被害額、生成AIが使われた事件、逮捕後の相談件数
  7. 国民生活センター「パソコンで警告が出たらサポート詐欺に注意!-70歳以上で大幅に増加-」(2024年3月27日)・消費者庁「相談窓口(被害にあったら)」
    100円が100万円になった例、188と#9110、バックアップ相談
  8. 全国銀行協会「金融犯罪に遭った場合のご相談・連絡先」
    振り込んだ先の銀行への連絡、各銀行の連絡先
  9. 三井住友カード「不審なサイトにカード番号を入力してしまいました。どうしたらいいですか?」・JCB「フィッシング詐欺にご注意ください」
    カード番号を入力してしまった場合のカードの停止(偽サイトへの入力の場合の案内)
  10. Google Play ヘルプ「Google Play ギフトカード詐欺に遭った場合の対処法」・Apple「ギフトカード詐欺について」
    ギフトカードで払った場合の報告先
  11. Microsoft「テクニカル サポート詐欺から身を守る」・日本マイクロソフト「マイクロソフトのサポートを装った詐欺にご注意ください」(2021年1月29日)
    Microsoftがしないこと、接続を許可した・払った場合の対処、後日の電話
  12. Microsoft「システムの復元」・Microsoft「Windows の回復オプション」・Microsoft「クイック アシストを使用して PC の問題をリモートで解決する」
    システムの復元とリセットの手順、クイック アシストの止め方
  13. AnyDesk「Uninstall AnyDesk」・TeamViewer「TeamViewerをアンインストールする方法」
    遠隔操作ソフトの削除の手順
  14. Microsoft On the Issues(2025年6月5日)・Microsoft「Cyber Signals Issue 9」(2025年4月16日)
    生成AIが使われた事件、AIが観測されなかった事例、Edgeのスケアウェア ブロッカー
  15. Google(2025年5月8日)・Google(2026年10月20日)・Google Chrome ヘルプ「Chrome でセーフ ブラウジングの保護レベルを選択する」
    ChromeのAIによる詐欺ページの検知、保護強化機能の場所
  16. トレンドマイクロ「個人セキュリティ脅威動向レポート2026年上半期を公開」(2026年8月20日)・トレンドマイクロ「1,300 万通以上 の偽メールを観測」(2026年6月)
    一企業の集計(メールからの誘導、AIの回答からの誘導の事例)
  17. OpenAI Help Center「Does ChatGPT tell the truth?」・FBI IC3「Criminals Use Generative Artificial Intelligence to Facilitate Financial Fraud」(2024年12月3日)
    AIの答えが間違うことがある点、生成AIが詐欺の目印を消してしまう点(米国の注意喚起)
  18. 神奈川県大磯警察署【公式】(2026年10月16日 9:00)・@rpmate1 リペアメイト(2026年10月12日 19:02)・IPA(情報セキュリティ安心相談窓口)(2026年10月23日 15:42)・警視庁サイバー(2026年4月15日 15:59)
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