この記事は、OpenAIが2024年3月25日に公開したSoraの初期作品と制作関係者の声を紹介する記録です。現在の利用方法や契約を案内する記事ではありません。後半では、作品から考えた「想像力を豊かにする方法」を筆者の提案として紹介します。
提供状況の確認:2026年10月27日(日本時間)。SoraのWeb・アプリは2026年4月26日に提供終了しました。公式ヘルプはAPIの終了日を同年9月24日と案内しています。以下の当時の評価を、現在使える機能や性能の保証として読まないでください。根拠:OpenAIの提供終了案内。
►はじめに
✓この記事では以下について学ぶことができます

2024年のSora発表当時、テキストから動画を生成する技術に注目が集まりました。ここからは当時の作品と発言を振り返ります。
公開作品には、現実らしい場面や現実にはない表現が含まれます。ただし、完成映像はアーティストが編集し、生成素材を加工・組み合わせたものです。映像や音声を含む完成作品のすべてが、プロンプトだけで自動生成されたと判断しないでください。
そんな中、7人のアーティストがSoraを活用してクリエイティブな作品を公開しました。
►Soraを活用した7人のアーティストの声
当時の作品から、動画生成AIを制作工程のどこに取り入れたのかを見ていきます。現行サービスとの性能比較ではありません。
Sora発表時の背景は、こちらの過去の紹介記事でも振り返れます。
OpenAI「Sora: first impressions」(2024年3月25日)は、改善点が残る段階での作品と初期の感想を紹介しています。以下の発言は制作関係者の当時の評価で、すべての利用者の成果を保証するものではありません。
この章では、Soraを一足先に活用した7人のアーティストの声(ファーストインプレッション)を共有します。
なお、以下で紹介しているほぼ全ての動画に音声が含まれています。
音声を聴きながら見ることで、より動画のクオリティの高さを実感できます。
◼︎Soraを活用|①マルチメディア制作会社shy kidsの作品
まず最初にshy kidsの作品です。
shy kidsはウォルター・ウッドマン、シドニー・リーダー、パトリック・セダーバーグのからなるマルチメディア制作会社です。
彼らはSoraを活用して風船男を主題としたショートフィルムを作成しました。
「これまで実現不可能だと思われていたような物語を展開できるようになった」と述べています。
中でもウォルター・ウッドマンは、Soraが「現実的な映像を生み出す能力に優れている」と考えています。そして「完全に超現実的な創作物を生み出せることがSoraの凄さだ」と語っています。
これを「抽象表現主義の新時代」と表現しました。
これまで世界に表現する機会のなかった深い物語を持つ人が、ついにその物語を共有できるようになるということです。
◼︎Soraを活用|②ポール・トリロ監督の作品
次にポール・トリロ監督の作品です。
ポール・トリロは、アーティスト、作家、そして映画監督でもあります。
『ローリング・ストーン』や『ニューヨーカー』といった著名なメディアからも高く評価されています。
彼は、Vimeoで開催されるショートフィルムの中で優れた作品に授与される「Vimeo Staff Picks」を19回も受賞しています。
ポールは「Soraと作業することで映画監督として初めて完全な自由を感じた」と述べています。
時間や資金、他者の承認に束縛されることなく、思い切ったアイデアを出せるようになりました。
ポールによると、Soraが最も力を発揮するのは「既存のものを単に模倣するのではなく、これまでにない全く新しいアイデアに生命を吹き込むとき」だと述べています。
◼︎Soraを活用|③ニク・クレベロフの作品
次に、ニク・クレベロフの作品です。
Native Foreignはエミー賞にノミネートされた実績があります。カリフォルニア州ロサンゼルスにあるクリエイティブエージェンシーです。
✓クリエイティブエージェンシーとは?
企業が市場で際立つための「創造的なアイデアやコンテンツを提供する専門の会社」のこと。
このエージェンシーは、ブランドの物語作り、モーションデザイン、タイトルデザインを得意とします。
さらに、生成AIを使って新しいコンテンツやデータを作ることも得意としています。
共同設立者のニク・クレベロフは、ブランドのコンセプトを視覚化しました。クリエイティブなアイデアを「素早く、そして繰り返し試す手段」としてSoraを活用しています。
「私は思考しながら動くタイプのクリエイターです。Soraを使うことで、どんなアイデアも現実のものに変えられると感じています」と述べています。
◼︎Soraを活用|④オーガスト・カンプの作品
次に、オーガスト・カンプの作品です。
オーガスト・カンプは、音楽、研究、クリエイティブな活動に取り組むアーティストです。
「創造力を持ちながらも実現手段に制約を感じていた私にとって、Soraは大きな転機となりました」と述べています。
Soraを使うことで、直感的に映画のようなビジュアルを作り出すことができます。
さらにその作業を繰り返し改善することが可能になり、これまでになかった新しい芸術の方向性を切り開くことができました。
カンプは、Soraが将来どのように新たな物語作りの可能性を生み出すかに期待しています。
◼︎Soraを活用|⑤ジョセフィン・ミラーの作品
次に、ジョセフィン・ミラーの作品です。
ジョセフィン・ミラーは、ロンドンにあるOraar Studioの共同設立者でありクリエイティブ・ディレクターです。
彼女は3Dビジュアル、拡張現実、デジタルファッションデザインの専門家です。
「Soraを使うことで長い間抱き続けてきたアイデアや、以前は技術的な理由から実現不可能だと思われていたアイデアを形にすることができるようになった」と述べています。
Soraの高品質のコンセプトを迅速に形成する能力は、創作プロセスに新たな挑戦をもたらしただけではありません。
物語を伝える方法にも革新をもたらしました。
Soraは技術的な限界を減らし、彼女の想像力を自由に表現する手助けをしています。
◼︎Soraを活用|⑥ドン・アレン・スティーブンソン3世の作品
次にドン・アレン・スティーブンソン3世の作品です。
ドン・アレン3世は、DreamWorks Animationでキャリアをスタートしました。
現在は複合現実、仮想現実、AIを活用して大手ハイテク企業やエンターテインメント企業と協力するクリエイターです。
彼は長年にわたり、頭の中で想像している独自のキャラクターを作ってきました。
今ではSoraのおかげで、これらの3Dキャラクターを空間コンピューティングの技術を用いて空間に配置する前に、アイデアとして簡単にプロトタイプ化できるようになりました。
✓空間コンピューティングとは?
現実世界にデジタル情報を重ね合わせて表示する技術です。AR(拡張現実)ゴーグルを通して、現実の空間にデジタルコンテンツを3次元で表示することで実現されます。
✓プロトタイプとは?
製品やサービスの機能やデザインをテストするために作られる初期モデルやサンプルのこと。
彼はSoraの最大の長所として「従来の物理法則や思考の慣習にとらわれない奇妙さ」をあげています。
技術的な制限を超えた「純粋な創造性」に焦点を当てられるようになりました。
そして即座にビジュアルを形にし、迅速に試作品を作ることが可能になりました。
これによって、自分の時間とエネルギーをより重要な創作活動に集中させることができます。
◼︎Soraを活用|⑦アレクサンダー・レーベンの作品
最後に、アレクサンダー・レーベンの作品です。
アレクサンダー・レーベンは、人工知能が描き出す人間のユーモアと不条理に焦点を当てた作品を作るアーティストです。
彼はAIによって生成された画像を基に彫刻を制作しました。そして、実際の3Dモデルに手作業で変換しています。
「Soraを使用することで3D彫刻制作の新たな道が開けました。特に写真測量技術を彫刻に応用する可能性や、動画から3Dモデルを作成する方法に興味を持ちました。これはAI技術が持つ潜在能力を、従来の考え方を超えて拡張することができるという点で、非常に魅力的です」と彼は述べています。
►Soraを効率よく活用する|想像力を豊かにする方法

Soraを活用した7人のアーティストの声から、Soraに対する共通した考えが浮かび上がってきました。
✓その内容は下記のとおりです
どんな想像も形にできる
しかし、想像するためには想像力を豊かにする必要があります。
Soraはユーザーの想像を形にすることができますが、想像力を豊かにはしてくれません。
この章では、想像力を豊かにする方法を「5つ」共有していきます。
◼︎想像力を豊かにする方法|①ジャンルを気にせず多読する

最初におすすめする方法は「多読する」です。
「普段あまり読まないような本」や「専門外の本」を読むことがおすすめです。そうすることで、違った角度から世界を見ることができるようになります。
いつも同じジャンルの本を読んでいれば、特定の分野の知識は定着します。
しかし思考が偏りやすくなり、想像力が豊かになっていきません。
想像力が豊かにならなければ、Soraのようなツールを上手に活用することができません。
しかしジャンルを気にせず多読すれば、自分が想像できる範囲は広がります。なぜなら本を読んだときに、そこに書かれている「世界」を理解できるからです。
想像力を高めることを考えると、多読は本当に重要です。
自分の好奇心に従って、「読みたいな」「ちょっと興味がある」と思った本を読んでいきましょう。
また、下記におすすめの本も紹介します。
僕は読書が大好きで読みたい本を読んでいます。その中でも特に「自分の想像が掻き立てられた本」です。
13歳からのアート思考🔽
ビッグヒストリー われわれはどこから来て、どこへ行くのか🔽
宇宙思考🔽
ブルシット・ジョブ🔽
ローマ帝国衰亡史🔽
◼︎想像力を豊かにする方法|②行ったことがないところに行く

行ったことのないところに行くことで、「どんな場所なんだろう」「何があるんだろう」という期待が生まれます。
そして、それと同時に「何も起きなければいいけど・・・」というような不安も生まれます。
このような環境では、五感が刺激されます。五感が刺激されると、想像力が豊かになります。
見たことがない景色や嗅いだことのない独特の匂い、その場所から生じる音も新鮮で心地いいものです。
自分の五感に対して「新しい刺激」を与えて、普段と違う発見をしましょう。
普段と違う発見ができれば、想像力に火がつきアイデアも湧いてきます。
自分の考え方にもとらわれなくなります。
Soraのようなツールが生まれると、想像は簡単に視覚化することができます。
そのようなツールを賢く使うためにも、五感を刺激するのはとても大切なことです。
この章の最後に、僕が行ったことのない場所へ行ったときの写真を共有します。
行ったことがない場所は、いつも僕自身の感性を刺激してくれました。
それは、いくつになっても変わりません。





◼︎想像力を豊かにする方法|③異文化に触れる

異文化に触れることで、今まで知らなかった価値観や生活様式に触れることができます。
特に、海外旅行や外国語を学ぶことがおすすめです。
生活に取り入れることで、想像の幅が大きく広がります。
また違った文化の人々との交流をすることで、自分の価値観にとらわれなくなります。
視野も大きく広がります。
想像力を豊かにする方法その2でも共有しましたが、このような体験は期待と不安がつきものです。
「他の国に行きたいだけど、ちょっと怖いな」
「外国語に興味はあるけど、本当にできるようになるか心配」
このような気持ちです。
しかし期待と不安を同時に感じる環境の中で、人の想像力は豊かになります。
想像力を豊かにするには「爽快感」と「不快感」が必要なのかもしれません。
日本は海外の方々が非常に多い国です。
特に観光地や都心では外国語を実践できる機会があります。
そのような外国語を使える機会を利用して、勇気を持って使っていきましょう。
使うことで語学力も身につきます。一石二鳥です。
語学学習をする場合は、生成AIの活用をおすすめします。生成AIを活用することで、自分だけのオリジナル教材を簡単に作成できます。
下記に「生成AIを活用した語学学習」に関する記事を共有しています。ぜひ参考にしてください。
中国語勉強に関する記事ですが、全ての言語に応用可能です。
◼︎想像力を豊かにする方法|④SNSや本を利用してクリエイティブな作品に触れる

✓「クリエイティブ」について
・「クリエイティブする」とは?
新しいアイデアや作品を生み出すために、創造的な思考や行動を積極的に行うこと。
・「クリエイティブな作品」とは?
今までの思考や形式にとらわれず、新鮮でユニークな視点や表現を提供する作品のこと。
アーティストと直接交流したりアートスペースに行くのは、常にできることではありません。
しかしSNSや本を通じて彼らのアイデアや作品に触れることは簡単にできます。
感性を刺激するような作品を提供しているアーティストや作家のSNSアカウントをフォローしましょう。本を手に取ってみましょう。そうすることで彼らが何を考え生きているのか、思考を垣間見ることができます。
SNSや本を利用することで、時間や場所という制約を取り除くことができます。
世界中のクリエイティブな人の作品に「間接的に」触れることで想像力は豊かになります。自分の活動範囲も広がっていきます。
とは言っても一番効果的なのは、直接クリエイティブな作品に触れることです。
時間を見つけて美術館へ行ったり、アートイベントに参加してみましょう。
おすすめのアートスペース(東京都内)を載せておきます。興味のある方はチェックしてみてください。
21_21 DESIGN SIGHT(六本木)🔽
https://www.2121designsight.jp/
国立新美術館(六本木)🔽
トーキョーアーツアンドスペース(本郷)🔽
https://www.tokyoartsandspace.jp/
上野の森美術館 🔽
◼︎想像力を豊かにする方法|⑤「今すぐできる」クリエイティブな活動をする

今すぐできるクリエイティブな活動に取り組むことがおすすめです。
✓今すぐできるクリエイティブな活動は下記のとおりです
・日記を書く(5年日記は本当におすすめです)
・絵を描く(紙とペンがあればできます)
・読書をする(想像力を豊かにする方法その1でも共有しました)
・生成AIで画像を生成する(Ideogramで簡単に高品質な画像が生成できます)
・SNSを使って「今の思考」を書き留める(考えや感じていることをアウトプットしてみましょう)
クリエイティブな活動をするときは、難しく考えないことが大切です。
小さな行動を積み重ねる意識を持ちましょう。その意識を持って行動することで、自分の想像の仕方に変化が生まれてきます。
上記のような活動は、日常生活の中に「簡単に」取り入れることができます。
新しい角度で物事が見れるようになり、想像力が豊かになります。
また、クリエイティブな活動をするときは、「制限時間」を設けるといいです。
制限時間を設けることで「限られた時間の中で終わらせないと」というような気持ちを持つことができます。
自分を追い詰めるような「不快感」が、思ってもいないアイデアを引き出すきっかけになります。
やはり想像力を豊かにするには、「爽快感」だけでなく「不快感」が必要なのかもしれないですね。
►まとめ
以上です。「Soraを使用した7人のアーティストの声」と「想像力を豊かにする方法」を共有しました。
初稿当時は一般向け提供前でしたが、その後の提供を経て、SoraのWeb・アプリは終了しました。これからSoraが公開されるという案内ではありません。残された作品は、生成素材を人が選び、編集し、意図を伝える制作の記録として読むことができます。
個人の想像は無限大です。そして自由です。そのような想像を簡単に形にできてしまうことを考えると、非常にワクワクします。
作品のどこに関心を持ったか、何を自分なら変えるかを言葉にしてみてください。現在のツールを選ぶ場合は、そのサービスの提供状況・料金・権利と公開条件を別に確認しましょう。この記事は、過去の作品から発想や編集の役割を考えるための記録として活用してください。


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