Claude 3は2024年に発表されたモデル群です。当時の評価では優れた結果が報告されましたが、現在の性能順位や、機密情報を安全に入力できることの保証ではありません。
現行の個人プラン名称は2026年10月31日再確認。2024年の記録と他の仕様確認日は変更していません。 現行の個人プラン一覧にUltra(旧Max 20x)を追加しました。これは2024年のClaude 3の名称・性能評価を変更するものではありません。Ultraも個人向けであり、有料化を健康情報や機密文書の入力許可の代わりにはできません。 根拠:現行プランと機能の公式表。
この記事では当時の比較画像を残しながら、長文処理の条件、料金の読み方、健康情報・法務文書を入力する前の判断を整理します。
先に確認すること:利用する製品・契約を特定する → 入力してよい情報か確認する → 公開資料か架空例で試す。
01Claude 3とは|2024年の発表を振り返る
ClaudeはAnthropicが開発する生成AIです。文章の整理、画像内の情報の読み取り、翻訳、コード作成などを支援します。Claude 3は2024年3月4日に発表されたモデル群で、現在のClaude全体を指す名前ではありません。
当時はHaikuが速度、Sonnetが性能と費用のバランス、Opusが複雑な課題への対応を重視する位置づけでした。モデル名が同じ系列でも世代が違えば仕様は変わります。


専門用語を短く整理
- API:別のソフトウェアからAIの機能を呼び出す仕組みです。チャットの契約と同じ料金・条件とは限りません。
- トークン:AIが文章などを処理する単位です。日本語の文字数と一対一では対応しません。
- コンテキスト:一度の処理で参照する情報の範囲です。長い資料が入っても、すべてを正しく理解する保証にはなりません。
- HTML・CSS:Webページの構造と見た目を記述する言語です。JSONはプログラム間でデータを受け渡す形式、Pythonはプログラミング言語の一つです。
02性能比較と長文処理で、言えること・言えないこと
発表当時、AnthropicはClaude 3 Opusが複数の主要評価で高い成績を出したと報告しました。ただし、比較相手のバージョン、質問、採点方法に依存する結果です。「GPT-4やGemini 1.0より全項目で優れる」「今も最も高性能」とは読めません。
当時の標準コンテキストは200Kでした。100万トークンを超える入力能力の説明は、特定顧客・用途への提供可能性と問い合わせ条件を含み、通常のチャットで誰でも使えるという発表ではありません。
長文から特定情報を取り出すNIAH試験の高成績や、Claude 2.1に対する正答率改善も、その試験での結果です。現実の契約書全体の理解や法的判断を保証しません。不明なことを認める傾向が改善しても、誤った回答をもっともらしく返すハルシネーションは残ります。





自分の用途で確認する基準
公開資料や架空の文章を用意し、①原文と数字が合うか、②根拠の箇所を指せるか、③不明点を補っていないか、④自分が直す手間はどの程度かを確認します。読みやすさと正確さは別々に評価してください。モデルの成績だけで、重要な作業を任せるか決めないことが大切です。
03入力前に確認する|個人・商用・HIPAAの違い
注意健康情報や機密の法務文書を、そのまま入力しないでください。認証、暗号化、有料プラン、モデルの高性能だけでは、入力許可や法令対応が確認できたことになりません。条件が不明なら、架空資料か公開情報に置き換えます。
| 利用経路 | データの扱い | 入力前の判断 |
|---|---|---|
| Free・Pro・Max・Ultra | 個人向けの条件。モデル改善の設定、安全性レビュー、明示的な参加やフィードバックによって学習利用の扱いが変わります。 | 有料でも商用製品のデータ条件と同一ではありません。業務資料の許可を別に確認します。 |
| Team・Enterpriseなど商用製品 | 入力・出力は原則としてモデル学習に使われません。ただし明示的な同意やフィードバック等は別です。 | 組織の承認、保存、共有、接続先、フィードバック設定を確認します。 |
| Anthropic API | 商用条件。標準では入力・出力を30日以内に削除しますが、Files API、別契約、法令・安全性対応等に例外があります。 | APIだから保存ゼロとは限りません。対象モデル・機能・契約の保存条件を確認します。 |
| HIPAA-ready Enterprise・対象API | BAAの対象サービスと必要な設定を満たす場合に限られます。 | 通常のEnterprise契約だけでも自動適用ではありません。担当者による対象確認を先に行います。 |
根拠:個人向け製品の学習利用 / 商用製品の学習利用 / 商用製品の保存期間 / 商用顧客向けBAAの対象と条件
学習されないことと、保存されないことは別です
チャット製品では会話を続けられるよう履歴が保存されます。個人向けでは、会話を削除すると履歴から消え、通常はバックエンドから30日以内に削除されます。モデル改善を許可したデータやフィードバックには最大5年の扱いがあり、安全性対応・法令上の理由などで保存が延びる場合もあります。
商用チャットも履歴保存があり、APIの標準保存期間とは同じではありません。保存ゼロの特約も対象機能・モデルに条件があります。削除や設定変更が、学習済みモデルや進行中の学習から過去の情報を取り除くとは限りません。
根拠:個人向け製品の保存期間 / 商用製品の保存期間
BAAがあっても、全機能が対象ではありません
BAAは米国HIPAAに関わる業務委託先との契約です。EnterpriseではPrimary OwnerがHIPAA対応を有効化し、BAAを受諾する必要があります。対象の自社APIで保護対象の健康情報(PHI)を扱う場合も、BAAへの署名後にAnthropicへの連絡と有効化が必要です。
契約の対象は受諾した組織と対象サービスです。Console、公開されたArtifactページ、対象外のベータ機能などへ対象が自動で広がるわけではありません。外部コネクタ等への送信にも別の確認が必要です。「使える」と「BAAの対象」は区別してください。HIPAA対応が、日本を含むすべての地域の法令・守秘義務への適合を一括で保証するものでもありません。
保存場所・処理場所・著作権も確認する
APIでは推論の実行場所と保存・周辺処理の場所は別の設定です。AWSやGoogle Cloudなどの経由先でも適用条件が異なります。「クラウドで使える」だけで国内保存や特定地域内処理を推定せず、利用経路、契約、地域設定を管理者に確認します。
SOC 2などの監査や認証の情報は、対象範囲を確認する材料です。すべての入力・出力が安全という保証ではありません。著作権についても、有料なら侵害リスクがなくなるわけではありません。素材の権利と商用契約の補償条件を別に確認し、第三者の文章やコードを無断で使わないようにします。
根拠:APIのデータ所在地
04架空の資料で始める|安全条件と活用例
業務の要約、法務資料の論点整理、コードの下書きには、それぞれ確認すべき点があります。以下はこの記事で作成した練習用の例です。実在の患者、依頼人、顧客の情報は含めていません。
- 目的を一つに絞り、AIが本当に必要か確認します。
- 入力する権限と組織のルールを確認します。氏名を消しただけでは、日時・住所・経緯の組合せから特定される場合があります。
- 必要な部分だけを架空化し、隠れたコメント、変更履歴、画像内の文字、添付資料も見直します。
- 承認済みのアカウント・利用面で、学習、保存、地域、外部送信の条件を確認します。不明なら実データを使いません。
- 出力は元資料に照合します。健康の判断は医療専門職、法的判断や提出書類は適切な法律専門家が確認します。
架空の問い合わせを整理する例
以下は練習用の架空データです。実在の人物や組織とは関係ありません。 A:資料の文字が小さく読みにくい。 B:申し込み手順を知りたい。 C:資料の文字を大きくしてほしい。 依頼:内容を種類別にまとめ、各分類の件数と根拠の行(A〜C)を示してください。書かれていない事情は推測せず、不明としてください。個人の属性を推測しないでください。
法務・健康関連で使うなら、判断の準備まで
法務の練習では、実在の契約書ではなく「架空のA社とB社が資料を交換する」という短い例を作り、確認したい項目を整理します。AIに契約の有効性、勝訴の見込み、提出可否を断定させる使い方は避けます。実務の文書を扱う場合は、守秘義務、委託・共有の許可、契約条件を確認し、専門家のレビューを組み込みます。
健康に関する練習も、架空の説明文の読みやすさを整える程度に留めます。個人の症状からの診断、治療や薬の変更、緊急性の判断をAIだけで行わないでください。ここで紹介する方法は医療・法律の助言ではありません。
コードは実行前に読む
コード例は秘密鍵や顧客データを含まない小さなものから始めます。ファイル削除、外部送信、依存パッケージの導入、料金が発生するAPI呼び出しがないか確認し、重要な環境でいきなり実行しません。文章と同様に、もっともらしく見えても動作や権利は別に確認します。
05当時の画面・比較記録と、今から始める方法
料金・アップグレード画面は2024年の記録
2024年3月の発表では無料体験にSonnet、ProにOpusが案内されていました。旧記事の「月3,000円」やモデルの選択肢を現在の固定料金・提供保証として使わないでください。下の3枚は当時の登録画面で、現在の申込手順ではありません。



今始める場合は公式サイトから利用できるプランとモデルを確認します。公式料金ページのProは月払い20米ドル、年払い200米ドルの表示です。税、通貨、購入経路や地域で実際の請求を確認し、契約期間・自動更新・解約条件を申込画面で読んでください。年払いの月換算額と毎月の請求額を混同しないようにします。APIの料金・利用枠は別に確認します。
一般的な学習なら、まず無料で公開資料や架空例を試し、上限や必要機能に不足があるときだけ有料を検討します。有料化を健康情報や機密資料の入力許可の代わりにしません。
根拠:現在の料金・プラン
Haiku・iOSアプリの当時の発表
旧記事で紹介した公式X投稿を資料として残します。日付の表示はタイムゾーンで変わる場合があります。iOSアプリの公式発表日は2024年5月1日です。アプリのダウンロードが無料でも、有料契約の全機能まで無料になる意味ではありません。
哲学の質問への返答比較(2024年の記録)
元記事では、Gemini 1.0、GPT-4、Claude Sonnetに同じ質問をして返答を見比べました。以下はその記録を引き継いだもので、今回あらためて実行した比較ではありません。モデルの厳密なバージョン、設定、試行回数をそろえた検証としては扱えません。
元記事の質問(当時の記録)
プラトンの著書である『国家』の中でソクラテスは 「美、その他について多くの人がもつ雑多な考えというものは、純粋にあるものと純粋にあらぬものとの中間のあたりをさまよっているものだということを、われわれは発見したようだ」 と言っています。この文章から、ソクラテスは「美」に対してどのように考えているのかを推測して、わかりやすく教えてください。



続けて、次のように文体の変更を依頼していました。
元記事の追加質問
もっとユーザーに語りかけるような返答をしてください。



この比較から確認できるのは、当時のこの入力に対する説明や語り口の違いです。哲学的解釈の正しさやAI全体の優劣は決められません。引用の訳や前後の文脈を原典・信頼できる解説で確認し、読みやすい文章をそのまま正解としないことが大切です。
06よくある質問
Claude 3は現在のClaudeと同じですか?
Claude 3は2024年のモデル世代です。現在のプラン名、利用可能モデル、上限は別に確認します。この記事の古い画像は現在の操作説明ではありません。
Proなら機密文書を入れてもよいですか?
有料というだけでは判断できません。Proは個人向けの条件です。入力許可、学習、保存、共有先などを確認し、業務では組織の承認を先に得ます。
学習をオフにすれば保存されませんか?
学習利用と保存は別です。履歴保存、削除までの期間、安全性・法令上の例外などを確認してください。
EnterpriseならHIPAAに自動対応しますか?
自動ではありません。HIPAA-readyの対象組織でBAAと必要設定を確認します。利用できる機能でも対象外の場合があるため、入力前に公式の対象表と契約を確認してください。
200Kや100万トークンなら資料を完全に読めますか?
入力容量と理解の正確さは別です。100万超という当時の説明には特別提供の条件がありました。実際の上限を確認し、重要箇所は原文に戻って照合します。
07まとめ|性能と入力してよい情報を分けて選ぶ
Claude 3は、2024年の生成AIの進歩を知るための比較記録です。現在の使い方を決めるときは、当時のモデル評価と、いま契約している製品のデータ条件を分けて見てください。
- ベンチマークや少数の返答例を、全用途の優劣へ広げない。
- 健康情報・法務資料は、入力許可と契約・設定を確認するまで実データを使わない。
- まず公開資料や架空例で試し、根拠と出力を自分で確かめる。
引用元・公式情報
2026年10月23日(日本時間)確認。公式情報と、元記事に残る2024年の筆者の操作・比較記録を区別しています。画像は当時の資料であり、現在の仕様を示すものではありません。
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